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フランス版『星の王子さま』出版80周年

『星の王子さま』フランス版出版80周年のロゴ

(日本版)

『星の王子さま』が初めて出版されたのは、1943年4月、アメリカ・ニューヨークでのことでした。このとき、レイナル・ヒッチコック社(Reynal & Hitchcock)から、英語版 The Little Prince とフランス語版 Le Petit Prince が出版されました。
 一方、サン=テグジュペリの母国フランスで『星の王子さま』が出版されたのは、第二次世界大戦終結後の1946年4月、ガリマール社(Gallimard)からでした。そう、2026年は、フランスで『星の王子さま』が出版されて80周年の記念すべき年なのです。

今回は、1946年に出版されたフランス版『星の王子さま』の特徴を見ていきたいと思います。

・カバー(画像右)

レイナル・ヒッチコック社(Reynal & Hitchcock)から出版されたものと同じで、小惑星B612に立つ王子さまの挿絵が使用されています。

・表紙(画像左)

 青いクロス装(布貼り)のハードカバー仕様。表紙も、レイナル・ヒッチコック社(Reynal & Hitchcock)版と同じ挿絵が箔押しされています。表紙と裏表紙には、「nrf(Nouvelle Revue Française)」というガリマール社のロゴが入っています。

・奥付

印刷:ポール・デュポン印刷所、パリ

1945年11月30日印刷

印刷番号:No.569 出版番号:No.437

法定納本:1945年第四半期

1946年がフランス版『星の王子さま』の発行年とされていますが、印刷やフランス国立図書館(Bibliothèque nationale de France)への納本は1945年に行われていたことがわかります。

 「法定納本」の記載の下には、オレンジ色のスタンプでナンバリングされています。フランス版『星の王子さま』は、初版は12,750部印刷されており、そのうち1番から12,250番までは通し番号が付いていました。この画像のものは、通し番号がナンバリングされた12,250部のうちの11,918番のものであるということを表しています。

 また、数字ではなくローマ数字がスタンプされたものも存在します。これは、 I から CCC(ローマ数字で1から300)の通し番号が付された、非売品だったものを表しています。これらのほかに、番号のないものが170部存在します(記録外の予備・損耗分があるため、印刷部数と上記内訳では数が一致していません)。

・著作リスト

タイトルページの裏にはサン=テグジュペリの著作リストが掲載されています。上から順に『南方郵便機(Courrier sud)』『人間の大地(Terre des hommes)』『戦う操縦士(Pilote de guerre)』『ある人質への手紙(Lettre à un otage)』。なぜか『夜間飛行(Vol de nuit)』が記載されていないのです。

・誤植
 フランス版『星の王子さま』では、テキストや挿絵において誤植(ミスプリント)が散見されます。例えば、以下の画像をご覧ください。お手持ちの『星の王子さま』との違いを見つけられるでしょうか(日本語版『星の王子さま』と比較していただいても大丈夫です)。

そうです。一番下の行で、本来「小惑星325(l’astéroïde 325)」とあるべきものが「小惑星3251(l’astéroïde 3251)」と印刷されてしまっているのです。これ以外のテキストの誤植は増刷時に修正されましたが、この小惑星番号の誤植が修正されたのは、1999年のことでした。

いいえ、私の手元にある『星の王子さま』は「小惑星3251」と書いてある、という方もいらっしゃるかと思います。それは、2000年より前の日本語版『星の王子さま』が、このフランス版『星の王子さま』を底本(翻訳の基礎となるテキスト)としていたためです。

 前回ご紹介した、岩波書店(岩波少年文庫)の『星の王子さま』はこのフランス版を底本としています。そのため、2000年以降の新版(装丁第6期)になるまで、フランス版と同様に「小惑星3251番」となっていました。

 2000年に岩波書店から『オリジナル版 星の王子さま』(ISBN:9784001156768)が出版されましたが、ここでいう「オリジナル」とは、「最初のもの」という意味で、それは、サン=テグジュペリが生前目にした唯一の版であるアメリカ版『星の王子さま』初版本のテキストや挿絵に基づいたものであることを表しています。このあたりの事情は、サン=テグジュペリの妹の孫に当たるフレデリック・ダゲー氏の前書きに詳しく記されています(『星の王子さま』もそうですが、前書きには大切なことが書かれていますね)。

これ以外にも、まだ違いはあります。

フランス版『星の王子さま』で、天文学者はいったい何を見ているのでしょう。

ぜひ、2000年前後の『星の王子さま』を読み比べて、新たな発見をしてみてください。
 

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